応用生物学部2023
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ワタシの卒業研究食品栄養科学科 2020年度卒吉村研究室鈴木 花奈子Pick up!植物の有用物質生産能力を向上させる。食品の主原料となる植物。吉村研究室では、植物が有する多くの優れた機能について、遺伝子/分子レベルで解明し、植物の栄養機能や環境抵抗性を向上させることで、高機能、高付加価値でかつ優れた生産性を有する作物の育種を目指す研究を行っています。私の卒業研究テーマは、人間にとって必須の栄養成分であり、植物の環境抵抗性において最も重要な役割を担う“ビタミンC(アスコルビン酸)の生合成制御機構の解明”です。植物がビタミンCをどのようにして作り、その量をどうコントロールしているのかについて研究しています。研究室では、今までは本や講義でしか見ることができなかった、最新のバイオサイエンス技術を実際に行うことができるので、毎日が新鮮で、楽しく実験に取り組んでいます。まだ失敗ばかりですが、吉村先生の熱意に負けないように、少しでも研究を成功させたいと思って、がんばっています。研究research講師 田中 守Mamoru Tanaka専門分野:基礎栄養学、食品免疫学教授 山本 敦Atsushi Yamamoto専門分野:物理系薬学【田中 守 研究室】【山本 敦 研究室】食材や食品成分の免疫調節機能を明らかし、アレルギー症状の緩和や予防を目指す花粉症やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーに代表されるⅠ型アレルギーは、先進国を中心に増加の一途をたどっています。田中守研究室では、食品の持つ機能性に注目して、アレルギー反応で重要な役割を果たすマスト細胞の脱顆粒抑制効果、健康増進・維持に関係の深い腸内環境改善効果や免疫力増強効果を明らかにすることで、Ⅰ型アレルギーへの理解を深め、症状の緩和や予防に向けた研究を目指しています。田中守講師は、日常的に摂取でき、”おいしさ”と”健康”の両方を意識した研究を進め社会に還元していきたいと考え、ゼミ・大学院生とともに、日々研究に取り組んでいます。測定値の品質を理解できる食品分析者の育成に向けて山本研究室では、食品中に含まれる農薬やカビ毒のような危害因子分析をテーマに、その測定法の開発に取り組んでいます。これらの有害成分は国の法律によって規制値が定められています。規制値を超えた農畜産物・製品は市場で流通・販売されることが許されません。分析者は測定値と規制値の狭間で、常に戦うことになります。しかし、分析者は得られた値を、その真度(真の値との差)や精度(測定値のばらつき)から判断することで、規制値との差を厳密に理解し、処理することができます。したがって、品質管理された測定値には絶対的な信頼が存在します。学生は、測定法の開発とともに食品の受託分析機関の協力の元、測定値に対する品質管理についても学ぶことができます。

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