応用生物学部2023
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食品栄養科学科バイオの基礎を身につけ、食品科学と栄養科学の領域に。“食と栄養のバイオサイエンス”の専門家を育成する。私たちの生活を毎日、基盤として支え続ける“食”の技術は、バイオを始めとする高度な科学技術で成り立っています。食の安全、食糧自給率、鳥インフルエンザやBSE、あるいはメタボリックシンドローム……。食品栄養科学専攻は、21世紀の“食”の課題に立ち向かう、プロフェッショナルを育成します。生物化学や分子生物学、有機化学などバイオの最先端の内容を徹底的に学修。さらに食品機能学や栄養生化学、食品分析学や食品安全学など“食”の課題解決のためのさまざまな分野を学び、卒業研究で専門領域を深めます。バイオを基盤に、“食品”を系統的に学ぶ……それが、食品栄養科学専攻の大きな特徴です。“食”を支える科学技術の基盤を徹底して学ぶ。“食”のプロフェッショナルになるためには、理論の徹底した学修が必要です。また理論にプラスして、現場に即した設備を利用して、実験・実習を多く経験することが必須です。充実した実験室に加え、最新の食品加工・製造を行える専用のテストプラントを設置。食品栄養科学専攻だからこそ学べる世界があります。最新のテストプラントを活用した“実習”の充実。学科ホームページ 〉https://www3.chubu.ac.jp/biology/department/food/食品栄養科学専攻【津田 孝範 研究室】研究室の人々TSUDA.Lab「食品機能学」研究室です。食品成分で健康的に痩せる、という視点で研究しています。特に運動時に摂取すると有効な食品成分を明らかにして、「なぜ効果があるのか?」を追求しています。最近ではアミノ酸混合物を運動時に摂取すると、脂肪を燃やして熱に変え、エネルギー消費を増やす“褐色脂肪細胞”が増えることを解明しました。“褐色脂肪細胞”の指標となり、熱産生に関わるタンパク質UCP1に特異的な抗体を結合させて、これを“見える化”します。食品成分の摂取や運動で白色脂肪組織中に褐色脂肪細胞が増えると、UCP1を示すバンドが濃く見えます。タンパク質を見える化する開発機能分析食品SJ60066L2J「食の6次産業化プロデューサー」レベル1,2育成プログラム教育機関認証実験動物(マウス)はこの装置で運動しています。私たちが利用するスポーツジムのランニングマシンに似ていますね。どのような食品成分を摂取して運動を併用すれば、エネルギー消費を高める“褐色脂肪細胞”を効果的に増やして肥満にならないのか、を調べています。実験動物の運動装置クルクミンを摂取した時は褐色脂肪細胞の指標が茶色に染色されています。白色脂肪組織を薄くスライスして染色した標本を顕微鏡で観察します。カレーの黄色色素クルクミンを摂取したり、運動時に特定のアミノ酸混合物を摂取すると、白色脂肪組織中にUCP1が増加します。このUCP1は茶色に染色され、増加していることがわかります。白色脂肪組織を顕微鏡観察熱産生を高めるタンパク質を抽出脂肪を燃やして熱に変え、エネルギー消費を高める“褐色脂肪細胞”は、どのように解析するのでしょうか。これは、“褐色脂肪細胞”の指標となり、熱産生に関わるUCP1とよばれるタンパク質の増加を調べることでわかります。そのためにまず白色脂肪組織からタンパク質を抽出します。

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