応用生物学部2023
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【金政 真 研究室】研究室の人々金政研究室のテーマは、微生物の産業利用です。現在は、木質系バイオマスからバイオエタノールや工業原料を産み出す“糸状菌(カビ)”などの有用遺伝子と、その制御機構の研究を進めています。非食糧系を材料とするバイオ燃料の実用化は、世界が注目する課題です。金政研究室は、ホットなテーマに取り組んでいます。環境生物科学科自然界にあるさまざまな糸状菌から、セルロース分解酵素(セルラーゼ)の生産能が高い菌を探すことから、研究は始まります。写真のバイオシェーカー(恒温振とう培養機)で、糸状菌を培養し実験を進めます。現在のバイオ燃料は、穀物デンプンを構成するグルコースが原料です。しかしグルコースは、植物を形作るセルロースの主成分でもあります。糸状菌は、強力なセルロース分解酵素を分泌・生産します。将来のバイオ燃料をつくる菌として、期待されています。生物・環境の関係を科学的に理解する。持続可能な社会の活性化になくてはならない人材を育成する。持続可能な人類の発展を目指すうえで、生物種の多様性を理解し、植物・動物・微生物の生命現象や生物間の関係を様々な角度から科学的に認識する力が必要です。人や生物にとってより良い環境とはなにかを根本から理解し、環境との調和を図りながら現代社会の経済・産業を活性化させ、地球上のすべての人々が豊かになるためのあらゆる活動や場面で求められる人材を育成します。学科ホームページ 〉〉〉https://www3.chubu.ac.jp/biology/department/environment/糸状菌の力優れた菌を探す候補となる糸状菌が見つかれば、そのDNAを調べ、どの遺伝子がセルラーゼの分泌能力と関係しているのかを特定します。金政研の学生は、“菌”と“遺伝子”を扱う技術と理論を徹底的に身につけます。有用遺伝子の特定どの遺伝子がどのような状況で発現し、セルラーゼの分泌能力を高めているのかが分かれば、遺伝子工学を用い人為的に能力を向上させた菌株の作製(分子育種)への第一歩になります。制御機構の解明糸状菌由来のセルラーゼ遺伝子を、アルコール発酵能力のある酵母に導入し、セルロースからワンステップでバイオエタノールを生産します。金政准教授の描く研究のゴールは、究極のバイオ燃料生産技術です。研究のゴール

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